インド西部地震調査に関する情報(提供:中島正愛理事)

インド西部地震を受けて、幾つかの調査団がすでに派遣され、また文部科学省突発災害調査団を含め幾つかの調査が計画されている。

(1)文部科学省:「2001年インド西部大地震の総合的調査研究」

目的

20011月26日(現地時間)インド西部のグジャラート州で大規模な地震(Ms=7.8)が発生し,2月13日現在死者16,927人,負傷者 166,836人,倒壊家屋310,437戸と報告されている。この地震は,プレート内に発生した内陸大地震であり,都市部の直下で発生したため,大きな被害をともなった。また,地表地震断層の出現の可能性も指摘されている。本地震の特徴を正確に把握して,内陸地震の地震発生の長期評価,強震動発生予測に資するデータを取得することにより,地震の特性を理学的見地から理解し,被害を工学的見地から把握し,社会学的見地から災害対応の特性を明らかにすることにより,今後の日印両国の地震防災施策に資する。

研究代表

佐藤 魂夫 弘前大学理工学部教授

調査内容と研究分担

1)表地震断層調査(活断層調査)
中田  高 広島大学文学部教授
佐藤比呂志 東京大学地震研究所助教授
吉岡 敏和 地質調査所地震地質部主任研究官
2)地震観測(余震観測)
ジェームス・ジロー・モリ 京都大学防災研究所教授
根岸 弘明 防災科学技術研究所地圏地球科学技術部研究員
3)GPS余効的地殻変動観測
加藤 照之 東京大学地震研究所教授(固体地球物理学)
宮下 芳 茨城大学理学部助教授(固体地球物理学)
4)地震被害調査(3月4日〜3月14日)
濱田 政則 早稲田大学理工学部教授
Venkatramana Katta 鹿児島大学工学部助教授
澤田 純男 京都大学防災研究所助教授
村上ひとみ 山口大学理工学研究科助教授
林  康裕 京都大学防災研究所助教授
久田 嘉章 工学院大学工学部助教授

(2)日本建築学会関連

秋田県立大学:カルキーマダン教授、板垣直行講師による調査(2月17日〜2月25 日)
日本大学:サンジャイ・パリーク講師による調査( 3月4日〜3月14日:文部科学省地震被害調査チームと合同)
京都大学・豊橋技術科学大学他:田中仁史助教授、河野進助手他による調査(3月4日〜3月15日)

(3)地震防災フロンティア研究センター

Rajib Shaw博士らによるパイロット調査(2月10日〜15日)

(4)土木学会関連(京都大学清野先生からの情報)

調査目的:
現地時間1月26日午前8時46分ごろ,インド・パキスタン国境付近を震源とするMs7.9の地震が発生しました.震源は23.40°N 70.32°W,震源深さは約20kmです.インド西部グジャラート州を中心に確認された死者は20,000人にものぼる模様です.行方不明者は50,000人以上とみられ,今後死者数は増える可能性もあるとのことです.また,建物の倒壊も多発しており,港湾,道路等の土木施設や,電気,通信をはじめとするライフラインにも甚大な被害が発生している模様です.(社) 土木学会では,日本の土木分野における地震災害に対する調査と,地震被害に対するこれまでの対応の経験を生かし,インド国被災地の今後の復旧・復興に貢献するとともに,インド国および広く社会に有用な情報を提供することを目的として,被害状況を専門的な見地から正確に把握するための被害調査団の派遣を行います.
調査期間:
平成13年3月15日〜3月24日
調査団:
濱田政則(早稲田大学理工学部教授:団長)
伯野元彦(東洋大工学部教授)
岩楯 敞広(東京都立大学大学院工学研究科教授)
アイダン・オメール(東海大学海洋学部教授)
清野純史(京都大学大学院工学研究科助教授)
目黒公郎(東京大学生産技術研究所助教授)
志毛宏次((株)土木技術サービス部長)