第1号議案 平成14年度日本地震工学会事業報告
「日本地震工学会(JAEE)」は、地震工学および地震防災に関する学術・技術の進歩発展をはかり、もって地震災害の軽減に貢献することを目的として、平成13年(2001年)1月1日に、東京都港区芝5丁目26番20号に事務所をおいて設立されました。平成15年3月31日の時点における正会員は1291名、学生会員53名、法人会員65社です。平成14年4月から平成15年3月に至る平成14年度の本会の事業は以下のとおりです。
1. 第2回通常総会の開催
平成14年5月22日(水)13時30分〜17時00分まで、第1部として、法人会員2社による講演に続き、建築会館ホールにて、出席者62名、委任状出席568名総計630名により、総会が開催された。
岡田会長が議長となり、平成13年度事業報告、収支決算報告、監査報告がなされ、承認された。 続いて、平成14年度役員選挙により次期会長に石原研而氏が、副会長に濱田政則氏と工藤一嘉氏が、監事に岩崎敏男氏が当選されたことが選挙管理委員会から報告され、選任された。さらに、新任の7名の理事が承認された。
平成14年度役員候補推薦委員および選挙管理委員の選任がなされ、承認された。 続いて、議長は、平成14年度会長の土岐憲三氏を紹介し、土岐新会長は平成14年度の本会の活動方針として現状況に甘んじず、危機感を持ってあたりたい旨発言された。
次に、平成14年度の事業計画および予算計画が説明され、承認された。 最後に、議長が会場の会員に自由意見を求め、今後の学会のあり方や、総会の運営について幅広く意見をいただいた。
2.理事会活動
日本地震工学会の活動を審議するために理事会は1ヶ月に1回の割合で開催された。理事会は理事の過半数の出席をもって成立し、毎回、事務的事項の報告のあと、議題の審議および議決を行い、本学会の将来の運営方針について懇談し、現在7学協会が主催している地震工学シンポジウムの幹事学会を当会が引き受けることが審議され、他の6学協会の承諾をいただいた。 次回の第12回地震工学シンポジウム以降、7学協会主催、当会が幹事学会として開催することとなった。今年度理事会開催日および主な議題は以下のとおりである。
(1)第13回理事会
日時:2002年4月17日(水)17:30〜20:00
場所:建築会館301号会議室
議題
1)入会者、退会者の承認
2)選挙開票結果報告
3)次期新任理事について
4)今年度決算および来年度予算について
5)通常総会について
(2)第14回理事会
日時:2002年5月15日(水)17:30〜20:00
場所:建築会館301号会議室
議題
1)入会者、退会者の承認
2)次期新任理事について
3)通常総会について
(3)第15回理事会
日時:2002年6月12日(水)17:00〜20:00
場所:建築会館301号会議室
議題
1)入会者、退会者の承認
2)役員担当について
3)今年度事業企画について
(4)第16回理事会
日時:2002年7月10日(水)17:00〜20:00
場所:建築会館302号会議室
議題
1)入会者、退会者の承認
2)役員の業務分担について
3)学術・調査委員会について
4)日本地震工学シンポジウムの開催について
(5)第17回理事会
日時:2002年9月11日(水)17:00〜20:00
場所:建築会館301号会議室
議題
1)入会者、退会者の承認
2)2003年度年次大会について
3)会員勧誘について
(6)第18回理事会
日時:2002年10月9日(水)17:00〜20:00
場所:建築会館301号会議室
議題
1)入会者、退会者の承認
2)組織見直しについて
3)学術・調査委員会規定等について
3)IAEE会議議事の報告
(7)第19回理事会
日時:2002年11月13日(水)17:00〜20:00
場所:建築会館301号会議室
議題
1)入会者、退会者の承認
2)研究統括委員会規定および研究委員会テーマについて
3)日本地震高額シンポジウムの開催形態について
(8)第20回理事会
日時:2002年12月11日(水)17:00〜20:00
場所:建築会館301号会議室
議題
1)入会者、退会者の承認
2)研究統括委員会発足について
3)CD-ROM版論文集の刊行について
(9)第21回理事会
日時:2003年1月8日(水)15:00〜17:30
場所:建築会館302号会議室
議題
1)入会者、退会者の承認
2)役員選挙候補について
3)選挙日程について
(10)第22回理事会
日時:2003年2月12日(水)17:00〜20:00
場所:建築会館301号会議室
議題
1)入会者、退会者の承認
2)次期新任理事候補について
3)総会議案書枠組みについて
(11)第23回理事会
日時:2003年3月12日(水)17:00〜20:00
場所:建築会館301号会議室
議題
1)入会者、退会者の承認
2)研究委員会について
3)総会の準備について
(12)第24回理事会
日時:2003年4月9日(水)17:00〜20:00
場所:建築会館301号会議室
議題
1)入会者、退会者の承認
2)選挙結果について
3)新任理事について
4)決算報告
(13)第25回理事会
日時:2003年5月14日(水)17:00〜20:00
場所:建築会館301号会議室
議題
1)入会者、退会者の承認
2)15年度事業計画・予算について
2)通常総会について
3. 幹事会・委員会活動
(1) 総務幹事会
事務局体制の整備強化、会員サービスの確立、事務局作業の効率化のため、事務所机の購入とパソコン1台の増設を行い、これに対応できる体制を整えた。 2002年6月には、建築学会と正式に事務所賃貸契約を行った。
また、新規電話回線(ADSL)を引き、会員とのメールの高速化を図った。
(2) 財務・会計幹事会
平成14年度会費納入のお願いを正会員1396名、学生会員92名、法人会員48社へ発送した。 納められた会費は、銀行預金として管理されており、会運営費用に対し、随時支出されている。 また、3月末には、457名の会員に15年度会費自動引落し手続きを、869名の会員に会費請求書を郵送した。
(3) 会員幹事会
会員増加のため、以下のような活動を行った。
@ 法人会員の勧誘活動:主要未加入法人をリストアップし、理事会メンバーの担当者を定め、勧誘活動を行った。
A 講演会等の主催・共催による教宣活動:
○防災シンポジウム2002 「地震災害と木造住宅耐震化」(2002年10月30日、浜松市フォルテ)
○講演会「地震対策技術アラカルト 大地震に備えて」(2002年11月1日、東京ガス本社)
○第11回日本地震工学シンポジウム(2002年11月20日〜22日、国立オリンピック記念青少年センター)
○第7回震災対策技術展講演会「地震調査研究の地震防災への活用」(2003年1月31日、神戸国際展示場)
B 会員に対するサービスの強化活動:会員名簿の電子データを整備するとともに、これを冊子として配布した。また、CD版による「JAEE Year Book (activities 2001-2002)」に「会員の役に立つ」、「読んで楽しい」記事を盛り込むこととした。
C 個人会員の発掘活動:地震工学の関わる未加入の個人を発掘するために、土木学会あるいは建築学会での論文発表者等を対象に、可能性のある個人を洗い出す作業を行っている。
(4) 広報委員会
本年度の事業として、ホームページ(http://www.jaee.gr.jp)を通して 会員に、コラム(6件)、震災情報(4件)、各種行事案内、関連学会へのリンク集などを作成、提供した。一方、会員への情報サービスとして、JAEE NEWS(30〜52号)を半月に一度発行し、会員にメールあるいは郵便にて、送付した。内容は、理事会報告、地震工学関連の最新情報の提供、国際・国内会議の公告、職業募集の公告などである。
(5) 会誌編集委員会
会誌は1月より始まる年を単位として,2002年をVol.2,2003年をVol.3として発行される。今年度はVol.2(2002年)のNo.1,No.2を発行した。
そのNo.2では,インタビュー記事の掲載を行った。Vol.3(2003年)は、2月末にNo.1を発行した。 また、会誌のニックネーム募集を行ったが,応募案の中に当選案がなく,当面「地震工学ニューズレター」という名称で会誌を発行することとした。
(6) 論文集編集委員会
@ 論文集として、2002年11月に第2巻第3号、2003年2月に第3巻第1号を刊行した。これらには、論文5編、報告2編が含まれている。なお、2001年12月に刊行された第1巻第1号から通算すると、論文集は合計5回刊行されたこととなり、論文7編、報告7編、計14編が刊行されたことになる。
A 関連部門と協力して、JAEE Year Book (activities 2001-2002)をCD−ROM版として刊行し、会員全員に送付した。この中には、1〜3代会長の挨拶、日本地震工学会の概要、役員名簿、お知らせ、会誌、論文集、ニュース・コラム、規約集、理事会の記録等が網羅されている。
B 論文集編集委員会の体制を強化し、継続的に無理のない陣容で論文集の編集が実行していける体制を固めた。
(7) 事業企画委員会
事業企画関係の活動としては,平成13年度に引き続き,会員向けや自治体の防災関係者・市民向けの講演会や講習会を開催した。まず,会員向けとしては,総会時において特別会員による講演および技術展示会を行った。また,11月には関東地区にて特別講演会を開いた。これは昨年に引き続き,本学会が専門分野からなる総合的な性格を持つ学会であることを考慮して,いくつかの専門分野の専門家に講演をお願いした。
自治体の防災担当者向けや市民向けの講習会等としては,今年度は10月に静岡県のシンポジウムに講師を派遣した。平成15年にはいってからは,1月に神戸において震災対策技術展の際に講演会を開いた。また,2月に横浜においても震災対策技術展の際に昨年度と同様のテーマでシンポジウムを開催した。 なお,本年度は大地震が発生しなかったため,これに関する講演会は開かなかった。
これらの詳細は表1に示すが,参加者もほぼ予想した通りであり,経費の面でも収入が支出を上回り,全体として年度計画通りに実行できた。これらの講演会やシンポジウムでは講演集も作成したため,学会としての成果物が蓄積出来たと言えよう。ただし,他学会で急速に進められている技術者の継続教育に関して,本学会ではまだ方針が立てられていないため,とりあえず受講証を参加者に渡し,また受講記録をデータ化して事務局に保存したに留まった。講演会等を技術者の継続教育に有効に利用できるように,今後制度を定める必要があると考えられる。
表1 平成14年度における事業企画委員会関係の活動内容のまとめ
年月日 |
講演会等の名称 |
講演者,展示者 |
会場 |
参加者数 |
14.5.22 |
総会時の法人会員による講演会 |
大保直人(鹿島建設),尾崎昌彦(関西電力 |
建築会館ホール |
62名 |
14.5.22 |
総会時の法人会員による技術展示会 |
防災科学技術研究所,日本建築学会,鹿島建設,大成建設,飛島建設,日本耐震防災事業団,大林組,清水建設 |
建築会館ホール入口およびそば |
|
14.10.30 |
静岡県”地震防災シンポジウム2002―地震災害と木造住宅耐震化― |
安村基(静岡大学) |
フォルテ(浜松市) |
200名 |
14.11.1 |
特別講演会“地震対策技術アラカルトー大地震に備えてー” |
工藤一嘉(東京大学),鈴木浩平(東京都立大学),岡田恒男(芝浦工業大学),清水善久(東京ガス) |
東京ガス本社大会議室 |
103名 |
15.1.31 |
震災対策技術展”地震調査研究の地震防災への活用−活断層調査・地盤構造調査は地震防災にどう活かされたか?−” |
室崎益輝(神戸大学),中川信夫(京都市),関口春子(産業技術総合研究所),福和伸夫(名古屋大学),堀家正則(大阪工業大学), |
神戸国際展示場 |
103名 |
14.2.7 |
震災対策技術展“国土セイフティネットシンポジウム−広域・高密度リアルタイム地震ネット構築へ向けて−” |
平田直(東京大学),布村明彦(内閣府),藤縄幸雄(防災科学技術研究所),横田崇(気象庁),目黒公郎(東京大学),後藤洋三(防災科学技術研究所) |
パシフィコ横浜(横浜) |
197名 |
(8) 研究統括委員会
地震工学分野の研究を進展させ,研究成果を会員のみならず広く国内外に還元して社会の地震防災性向上に貢献するため,平成14年11月13日の第19回理事会において「研究統括委員会」の設置が決定された。
研究統括委員会の活動内容は以下の通りである.
(1) 研究委員会の設置と活動支援 : 地震工学分野の研究促進のため研究委員会を設置し,その活動を支援する
(2) 地震災害の調査 : 国内外での地震災害発生に際し,他の学協会との連携のもとに必要に応じて調査団を組織し,派遣する。
平成14年度は以下の二つの研究委員会を設立した.
(1) 性能規定型耐震設計法に関する研究委員会
(2) 強震データベースの構築と活用に関する研究小委員会
(9) 国際関係
日本地震工学会の国際プレゼンスを高めるとともに、国際貢献に資する体制を整備することを目標に、その端緒として、米国EERI(Earthquake Engineering Research Institute)との"Partnership"協定締結に向けてEERIとの協議に入った。
また、IAEEとの連携で、各国の地震工学関連機関のネットワーク構築
(WEEL)の活動として、当会ホームページ上にリンクを貼った。
4. 他学会との交流
当会設立以来、2ヵ年を超え、他学会からも認知され、講演会等の共催、協賛、後援を引き受けるものが増加してきている。 今後も交流を深め、情報交換や相互の協賛、後援を行っていきたい。 なお、今年度の共催、協賛、後援した講演会は以下のとおりである。
(1) 第4回地震災害マネージメントセミナー
土木学会地震工学委員会主催の後援 2002年11月神戸
(2) 構造物の制振とヘルスモニタリングに関する日中ワークショップ
日本側東京大学土木工学科とともに後援 2002年12月上海
(3) 第52回理論応用力学講演会
日本学術会議主催の副幹事学会として共催 2003年1月東京
(4) 地震防災フォーラム‘02
関西地震観測研究協議会主催の協賛 2003年1月大阪
(5) 第19回、第20回震災予防協会講演会
震災予防協会主催の後援 2003年2月横浜
(6)第1回応答制御建築物の性能に関する国際シンポジウム
日本免震構造協会主催の後援 2003年11月(開催予定)東京
資料1 日本地震工学会第2回通常総会における役員選任
日本地震工学会第2回通常総会において、日本地震工学会規約第14条に定める役員として以下の方が選任され、承認された。
任 期
2002年6月1日 2003年6月1日 2004年6月1日
〜2003年5月31日 〜2004年5月31日 〜2005年5月31日
(役職) (現職) (候補者) (候補者)
会長 土岐憲三 石原研而
次期会長 石原研而 選挙で選出 選挙で選出
副会長 片山恒雄 選挙で選出
副会長 小谷俊介 選挙で選出
副会長 濱田政則 濱田政則 選挙で選出
副会長 工藤一嘉 工藤一嘉 選挙で選出
理事 大町達夫 会長が選出
理事 川島一彦 会長が選出
理事 北村春幸 会長が選出
理事 塩原 等 会長が選出
理事 中島正愛 会長が選出
理事 中原光春 会長が選出
理事 西谷 章 会長が選出
理事 松本正毅 会長が選出
理事 安田 進 会長が選出
理事 稲田泰夫 稲田泰夫 会長が選出
理事 井野盛夫 井野盛夫 会長が選出
理事 亀田弘行 亀田弘行 会長が選出
理事 北田義夫 北田義夫 会長が選出
理事 小長井一男 小長井一男 会長が選出
理事 鈴木祥之 鈴木祥之 会長が選出
理事 武村雅之 武村雅之 会長が選出
監事 北川良和 選挙で選出
監事 岩崎敏男 岩崎敏男 選挙で選出
資料−2 平成14年度日本地震工学会役員の分掌
会長 土岐憲三
次期会長 石原研而
第一副会長 片山恒雄 情報・事業担当
第二副会長 小谷俊介 総務担当
第三副会長 濱田政則 学術担当
第四副会長 工藤一嘉 会計会員担当、情報担当兼務
先任理事 大町達夫 総務理事
先任理事 川島一彦 学術理事(論文集担当)
先任理事 北村春幸 会計理事
先任理事 塩原 等 総務理事(電子メディア担当)
先任理事 中島正愛 学術理事(国際担当)
先任理事 中原光春 総務理事
先任理事 西谷 章 情報理事(会誌担当)
先任理事 松本正毅 会員理事(法人会員担当)
先任理事 安田 進 事業理事(企画担当)
後任理事 稲田泰夫 会員理事(会員管理担当)
後任理事 井野盛夫 事業理事(企画担当)
後任理事 亀田弘行 会計理事
後任理事 北田義夫 総務理事
後任理事 小長井一男 学術理事(論文集担当)
後任理事 鈴木祥之 事業理事(大会担当)
後任理事 武村雅之 情報理事(広報担当)
先任監事 北川良和
後任監事 岩崎敏男