2017年3月24日 [トピックス]
原子力発電所、高圧ガス施設、化学プラント等の生産施設は、建屋、製造設備、ユーティリティなど、各種の設備や機器で構成されている。ところが、耐震設計の基準や指針は異なり、また耐震検討は個別に行なわれているため、建屋、製造設備、ユーティリティ設備などの耐震裕度は一律ではなく、弱い要素の被害によりシステム機能は停止するという盲点がある。これは、近年の被害事例を鑑みても明らかである。
「日本地震工学会 システム性能を考慮した産業施設諸機能の耐震性評価研究委員会」は、産業施設の機能を建屋、製造設備、ユーティリティ設備などが連なったシステムとして捉え、工場あるいは施設総体としての安全性を確認する、新たな設計法・評価法に結び付く提言を行うことを目的に設置した。本セミナーは、3年間(平成26年4月~平成29年3月)の活動の成果報告として、特に、耐震基準の相違がもたらす課題と施設総体の安全性照査の必要性、さらに具体的な方法について、事例とともに解説する。
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