近年発生した内陸地震では、震源近傍において極めて振幅の大きな地震動が観測されており、その生成要因を解明してより正確な強震動予測に繋げるために、前身委員会では深部地盤構造のモデル化手法の違いによる深部地盤構造および得られる強震動のばらつきなどを評価した。その成果の一部は、主導したESG6のResolution(2021)に反映されている。そのResolutionでは、今後のESG研究の方向性として、強震時の地盤非線形や不整形地盤に加えて地形が地震動に及ぼす影響を評価することの重要性が謳われている。強震記録が蓄積される現状においては、観測記録の分析および表層地質・地盤構造のモデル化、地震動シミュレーション等の地盤工学、地震学、地質学を考慮した多角的な分析を行うことで、地形が地震動に及ぼす影響を適切に評価できることが期待される。本研究委員会では、合同観測で取得するデータや防災科学技術研究所のKiK-netに代表される地震動記録等を用いて、地形を含め不整形地盤や地盤非線形が地震動に及ぼす影響に関する研究を行う。
2025年4月~2028年3月
地形や不整形地盤、地盤の非線形性が地震動に及ぼす影響に関する研究を行う。その際は、合同観測で得られたデータや防災科学技術研究所の基盤強震観測網の地震データ等を使用する。得られた結果について、強震動予測・評価のワークショップや年次大会、報告会を通じて会員に提供する。
2016年熊本地震及び2024年能登半島地震を対象として、合同観測で取得したデータや防災科学技術研究所のK-NET及びKiK-netに代表される地震データを用いて、地形を含め不整形地盤や地盤非線形が地震動に及ぼす影響を評価する。また、仮想モデルの地震動シミュレーションより、地形が地震動に及ぼす影響を評価する。さらには、過去の地震に対して、地形を含め不整形地盤や地盤非線形が地震動に及ぼす影響に関する文献調査を行う。情報発信として、国内ワークショップの開催及び年次大会の特別セッション企画を行う。
●委員長
津野靖士(東京科学大学)
●副委員長
浅野公之(京都大学)
●幹事
笠松健太郎(鹿島建設㈱)
林田拓己((国研)建築研究所)
●委員
岩城麻子((国研)防災科学技術研究所)
植竹富一(東京電力ホールディングス㈱)
上田恭平(京都大学)
大島光貴(清水建設㈱)
小木曽仁(気象庁気象研究所)
金田一広(千葉工業大学)
是永将宏((公財)鉄道総合技術研究所)
鈴木晴彦(応用地質㈱)
重藤迪子(九州大学)
清木隆文(宇都宮大学)
高井伸雄(北海道大学)
地元孝輔(香川大学)
仲野健一(㈱安藤・間)
長坂陽介((国研)港湾空港技術研究所)
長嶋史明(京都大学)
野口科子((公財)地震予知総合研究振興会)
松島信一(京都大学)
山中浩明(東京科学大学)
吉見雅行((国研)産業技術総合研究所)
Copyright (C) Japan Association for Earthquake Engineering. All Rights Reserved.