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第1回 微動利用技術研究委員会

日 時

平成21年2月24日(火)10:00〜13:00

場 所

建築会館(田町)301号室

参加者

新井、上林、和仁、片岡、紺野、斎藤、佐藤、高井、年縄、飛田、林(宏)、林(康)、原田、ネトラ、三上、森、盛川、矢部、保井、山田、山中、山本、横井 (敬称略) (計23名)

配付資料

資料1-1 日本地震工学会 微動利用技術研究委員会資料:CMT-all-info.pdf
資料2-2 活動計画・行動予定(案):CMT-roadmap2.pdf

議 事

1. 委員会申請者あいさつ

 森委員より、委員会への参加と第1回委員会への出席への謝辞と簡単な挨拶があった。

2. 議事確認

 事前にメールで知らせていた通りで、会議の議事が承認された。

3. 資料の確認

 事務局より印刷配布された2資料(MLで事前配布済み)が確認された。

4. 自己紹介

 配布資料1-1に掲載の委員名簿と委員情報票を使い、五十音順で自己紹介を行った。

5. 申請者による委員会の主旨説明

 配布資料1-1に記載内容を参考にして委員会の主旨を説明した。

6. 委員長選出

 日本地震工学会一般規則に則り、全会一致で森委員を委員長に選出した。

7. 幹事選出

 日本地震工学会一般規則に則り、森委員長が盛川委員に幹事を依頼し、盛川委員の承諾を得て、全会一致で承認した。また、盛川幹事が委員会のメーリングリスト(ML)を立ち上げ、添付ファイルもwebに掲載されるようにしたことが委員長より紹介され礼が述べられた。
 また、森委員長が和仁委員に議事録担当を依頼し、承諾された。今後、和仁委員が議事内容を記録し、森委員長とともに案が作成される。

8. 委員会運営原則

 森委員長より、以下の原則が説明され、承認された。

  • 委員会の構成に当たっては、設置申請時に相談して推薦のあった方、公募で申請下さった方の皆様が前向きに参加する意向を表明して戴いたので全ての方に委員になって戴いた。当学会の他の委員会と比べて大所帯である。
  • 委員会運営にとって、旅費支給対象者への旅費が予算上の最も問題であり、そのことが委員会会議の開催にも影響することを共通認識とする。
  • 年間で2-3回の委員会開催を予定しているが、旅費を支払えるのは各人1回程度である。第1回委員会は上限規定額を支払うが、次回以降は、可能な限り経済的な額で実費申請して戴きたい。
  • 委員会は原則として本学会や他の学会の研究発表会などに合わせて開催し、それら学会参加者は旅費申請しないことにする。
  • また、微動研究委員会のML(jaee_bido)の利用を進め、顔を合わせて手しかできない委員会会議を有意義なものとするため、意見交換、情報提供などを普段から進めたい。

9. 委員会活動方針・内容

  • 今年度の主な活動は文献調査とし、書誌情報のリストだけとし、本文は対象としない。
  • 本文pdfは、次年度9月末までに集める。
  • 来年度以降の活動方針としては、配布資料に書いてある通り、利用実態・適用性・適用限界に関する調査などをして、各委員の意見と委員会での議論を踏まえ合意形成を図り、最終的にガイドライン素案を作成する方向で活動する。

 この活動方針に関して、以下の議論があった。

  • 本文pdfは、本人のはまだしも、他人のものを集めるのは著作権法上問題がある、購入できるものは購入すべきなどの意見が出た。入手先の情報(学会住所、website)などを提供するのが良いとした。ただ、購入もできず入手困難な文献については致し方ないとの意見もあった。
  • 微動(地盤)は、地域性があるので、これまで測定した地域がわかるような地図を作ってはどうかとの意見が出たが、時間的に困難として今年度は取り上げないこととなった。
  • 振動計や計測・解析の詳細情報を文献毎に整理してはどうかとの意見が出たが、今年度の文献調査の作業には、過負荷となる懸念があるため次年度以降に対応することとした。
  • 適用性や適用限界など委員長の問題としている点を早い時点で明らかにしてほしいなどの意見があった。
  • 来年度以降、微動の一斉観測の実施をやってはどうかとの提案が委員長よりあったが、ESJで釧路、小田原の一斉観測を実施したが、あまり良い結論は得られていないので、過去の結果をレビューする必要があるとの意見があった。また、目的を絞って行うべきとの意見もあった。さらに、同一箇所で測定するのが目的であれば、場所さえ指定すれば、都合の良いときに測定できる、などの意見もあった。

 構造物関係の微動利用に続き、各委員より委員会としての今後の活動方針に関して意見が出された。

<林(康):京都大学>
  ・微動測定の適用範囲の設定
  ・測定方法にチェックリストの作成
  ・測定の事例集の作成
<飛田:名古屋大学>
  ・微動により建物の振動特性をいかに適切な評価方法の設定
  ・センサー設置の方法(定性化)
  ・構造ヘルスモニタリング(日、月、年)
<新井:建築研究所>
  ・設計への適用性の検討
  ・チェックリストの作成
<山本:岩手大学>
  ・微動の適用限界の設定
<上林:大阪工業大学>
  ・不整形地盤の適用限界
  ・失敗事例の収集  →社会には成功事例しか出ていない
  ・長周期まで測定可能な機械の開発  →委員の中にメーカの方も取り入れ情報収集する必要がある。
<横井:建築研究所>
  ・微動計の精度

10. 役割分担

  • 各委員がこれまでに投稿した国内外のジャーナル、論文集、口頭発表概要など公開文献のリストを作成する(委員全員の分担、締切:3月中頃)。
  • 文献リストの整理方法は、委員毎に地盤と構造物(土木と建築に分ける)に分け、それらに解説を付ける。
  • 委員の執筆でない文献、微動研究にとって欠かせない研究の文献については、対応可能な委員によるリスト作成を歓迎する。
  • 文献や情報の入手できるwebsiteについてもURLのリスト化を図る。
  • 今年度集める文献リストは、表形式とはせず、論文の参考文献の書式のように箇条書きとする。形式は当学会、土木・地盤・建築・物探などの学会論文集を参考に決め、森委員長より追って連絡する。
  • 山中委員より物理探査学会の情報を提供していただく

11. 今年度の報告書

 各委員から提出された原稿を、森委員長が合体して、今年度の報告書とする。

12. 研究紹介

 活動方針の議論が地盤に片寄っていたこともあり、構造物に関して微動利用の経験を各委員に話してもらうよう委員長が促した。概要は以下の通り。

(1) 土木構造物に関して

<紺野:芝浦工大> 
  ・免震構造物の固有周期、モードの測定
  ・耐震効果の判定
<佐藤:システムアンドデータリサーチ>
  ・鉄道盛土の固有周期、増幅率の測定、及び健全度調査の判定
<森:愛媛大学>
  ・耐震化前後の道路橋橋脚(耐震補強効果の判定)
  ・大学校舎(芸予地震前後で測定を実施)
  ・斜面の振動(風化層が卓越)
  ・城壁(松山城、事前に測定した軟らかい部分が芸予地震で被害)
  ・高速道路盛土
<矢部:長大>
  ・竣工後の長大道路橋(鋼橋・コンクリート橋)、地震計保守と併せて
  ・長周期構造物(首都高)
  ・ダムの耐震診断
<山田:ニュージェック>
  ・地震計が設置されていないダムの固有周期の判定、健全度判定
<ネトラ:愛媛大学>
  ・ネパールでの微動測定
  ・四国八十八箇所(お遍路)の地盤の微動測定

(2) 建築構造物に関して

<新井:建築研究所>
  ・RC構造物(トルコ)、石像(インド、中国)
<斎藤:清水建設>
  ・高層、免震構造の微動測定及びモニタリング(測定箇所50箇所以上、そのうちデータを公表できるもの10箇所)
  ・構造ヘルスモニタリング
  ・竣工検査時の建物の微動測定(現在はほとんど実施されていない)
<高井:北海道大学>
  ・大学内の建物
  ・耐震効果の判定
<年縄:明星大学>
  ・崩壊した建築物(インド)
  ・免震効果の判定(固有周期とモードの変化)
  ・マンション
  ・ダム
  ・ペレストリアンデッキ
<三上:東邦アーステック>
  ・欠陥耐震偽装建築物の健全度調査
<飛田:名古屋大学>
  ・名古屋市内のRC構造物、寺、小学校(120箇所)(これらは2007年度の論文にまとめている。全て公表できるデータである)
  ・施工中の建築物(各施工過程で測定実施)
<林(康):京都大学>
  ・被災建築物
  ・石像(インド、台湾)(固有周期3.5Hzで)
  ・重要文化財の微動測定
  ・木造建築物の微動測定(1週間に1度実施 季節変動の影響把握)
  ・京屋町の微動測定(2ヶ月に1度実施)
<保井:戸田建設>
  ・超高層、免震建物
  ・床振動

13. 次回委員会

 委員会運営原則もあり、学会関係と日程を合わせることを考慮して決めた。
第2回及び第3回の委員会開催日時は下記とする。場所は建築会館

  第2回委員会 平成21年5月21(木) 17:00〜19:00
  第3回委員会 平成21年8月17(月) 14:00〜17:00

14. その他

 特になかった。

15. 閉会

 森委員長から、参加委員にお礼が述べられ、閉会とした。

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