千葉工業大学工学部 藤井 賢志
2007年7月11日(水)〜13日(金)の3日間,仙台市内,江陽グランドホテルを会場(写真1,江陽グランドホテル)として,(社)日本コンクリート工学協会が主催する年次大会が開催されました.本大会は以下に示す行事から構成されましたが,筆者も第29回コンクリート工学講演会の講演者として出席しましたので,本講演会への参加体験を中心に簡単にご紹介します.なお,写真は全て携帯電話のカメラにて撮影したので,画質が少々悪い点もあるが,その点はご容赦ください。 主な行事は以下の通りです。
筆者は,今大会期間中の日中の時間の大半を講演会場にて過ごしましたので(あいにくの雨のため観光もままならず),講演会について報告いたします。筆者の興味がコンクリート系構造の地震応答であることもあり,初日は「構造設計・設計法/構造解析/骨組」「耐震一般T,U」,「免震・制振/耐震診断/地震被害」,2日目は「耐震補強T,U」,3日目は「耐震補強V,耐震性能評価T」,「耐震性能評価U」を回ることとしました。筆者の発表セッションは「免震・制振/耐震診断/地震被害」では,コンクリート系構造の応答制御に関する研究が4編発表されました。投稿した当初は,最近はこの大会でも制振に関する発表が増えてきているので,もう少し関連の発表が集まるかと思っていましたが,他のセッションに分散したのか,意外と少なかった印象を持ちました。加えて今年は,建築構造の地震応答に関する解析的な研究発表が,昨年までと比べて数が減ってきたような印象を受けました。その中にあって,一昨年よりE-Defenseにて精力的に行われている,鉄筋コンクリート造建物の震動実験に関する発表が目を引きました。
今回は,2日目の大会懇親会に出席いたしました。その場で,筆者の出身研究室の先輩にあたる秋田県立大学の西田先生の計らいで,東北大学名誉教授の柴田明徳先生と直接お会いしてお話する機会を得ることができました。筆者のような若手研究者にとって,あの名著「最新 耐震構造解析」の著者である柴田先生は,もはや歴史上の人物という方があっているような(本を通じてしか知りあえないような)大先生ですが,非常に気さくにお話をして下さった事が非常に印象に残っています。その中で,柴田先生が現在,時間を見つけては昔に組まれた解析プログラム(例えばTakedaモデルのサブルーチンプログラムなど)を,Excel上で動くように作り変えて,若い実務設計者などに勉強のため提供されているというお話をして下さいました。特に,最近はFortranも個人での入手が難しく,若い技術者が勉強のためプログラミングしたくてもなかなか難しい,そこで,実務などで幅広く使われている汎用プログラム上で昔の資産を動くようにできれば,若い方々の勉強に非常に役に立てるのではないか,という事でした。わずか十数分でしたが,先生の数々の名著の中で受けた印象と変わらぬ研究・教育への情熱に深く感銘するとともに,非常に有意義な時間を過ごすことができました。
最後に,大会3日目に東北大学の前田先生からバーベキューパーティーへのお誘いを受けて,東北大学の建築実験棟におじゃまさせていただきました。途中からあいにくの雨で,会場を屋外から実験棟内に移しましたが,任天堂のWiiを使った大学対抗(?)テニス大会など,非常に楽しい時間を過ごさせていただきました(写真4,写真5)。前田先生を初めとした東北大学前田研究室の皆様,どうもありがとうございました。
写真 4 東北大学前田研究室主催の バーベキューパーティー(1) |
写真 5 東北大学前田研究室主催の バーベキューパーティー(2) |
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