2014年は4年に一度の日本地震工学シンポジウムの開催年です。ご存じの通り、これまでオリンピック開催年に、世界地震工学会議(WCEE)が開催されてきました。直近では2012年ロンドン・オリンピック直後の9月に、ポルトガル・リスボンで15WCEEが開催されました。WCEEの中間年である2014年は地震工学の地域会議が多く開催される年で、7月にはアラスカ・アンカレッジで米国地震工学会議(10NCEE)が、8月にはトルコ・イスタンブールでヨーロッパ地震工学・地震学会議(2ECEES)が開催される予定です。このタイミングで、アジア地域を横断した地震工学会議の開催も模索しましたが、残念ながら多様なこの地域を連帯する会議を開くには準備が足らず、今回は従来型の第14回日本地震工学シンポジウム(14JEES)として2014年12月4-6日の3日間、千葉市の幕張メッセ国際会議場で開催することにいたしました。
14JEESは、(公社)日本地震工学会を幹事学会として、(公社)地盤工学会、(公社)土木学会、(一社)日本機械学会、(一社)日本建築学会、(公社)日本地震学会、(一社)地域安全学会、日本活断層学会、日本災害復興学会、日本自然災害学会の計10学会の共同主催で行われます。今回のシンポジウムは、一般論文セッションのほか、東日本大震災や来るべき巨大地震に関連したテーマや、英語による招待講演を含むオーガナイズドセッションを設ける方針です。また、シンポジウム開催後に、優れた論文を査読付きで集めた日本地震工学会論文集の特集号なども編纂する予定です。
2011年3月11日に発生した東日本大震災は、巨大地震・津波による我が国の脆弱性を改めて思い知らされました。我々は、1995年阪神・淡路大震災から学んだ教訓を、かなり構造物や社会システムの強靭化に取り入れてきたつもりでしたが、内陸活断層による地震と海溝型巨大地震では、有効な対策が異なっていました。近い将来には、今度は西日本を海溝型巨大地震が襲うことが確実視されています。またその前に、内陸直下地震などの頻発も危惧されます。
今後の地震・津波による被害をできるだけ小さく抑えることが、我々、地震災害を様々な角度から研究し対策を推進するものの使命であり、本シンポジウムをそのための情報交換や作戦会議の場として位置づけたいと思います。関連分野の研究者・技術者や大学院生に積極的に参加いただき、有意義なシンポジウムにしたいと思っています。
2013年9月
第14回日本地震工学シンポジウム運営委員会
委員長 山崎文雄